2007年2月13日火曜日

「アデュー」公演稽古日記スタート

笠木泉です。
公演に向けて稽古日記のようなものを始めました。

オールツーステップスクール→アデュー公演「アデュー」という名前について説明します。
今までのオールツーステップスクールを応援して下さった皆さん、本当にいつもありがとう。公演を見てくださった皆さんも本当に感謝しています。

主宰の私が何故オールツーステップスクールからアデューという名のユニットに改名したかというと、一昨年までオールツーステップスクールで活動して来たメンバーそれぞれが自分の道をゆっくりながらも歩み出していることですからです。この2年の間に、主宰の私は役者としての活動を進め書くことを楽しんでみたり、作演出を担当していた浅野晋康は映画「Catch Ball With ニコル」で様々な賞を受賞し映画監督としての道を歩んでいます。高山玲子も映画を撮ったり、美術の仕事をしたり、その他のメンバーも役者としてまた役者じゃない世界で表現者として生きております。その中であえて場所の名前として存在した「オールツーステップスクール」を私一人で名乗るのはいかがなものだろうかと考えるようになりました。

オールツーステップスクールは場所の名前です。架空でありながら、そこに集まれば私たちは取っ組み合いしてまでもいいものをつくろうと努力し、また表現を楽しんできました。お客さんと一緒に何かを生み出そうとしてきました。

しかしここで一回オールツーステップスクールという場所を私自身が卒業し(おニャン子クラブかよ!ハロプロかよ!)、私も皆と同じように、自分自身の名前で作り手として活動して行くことを選びました。

そこで、「アデュー」です。

「さよなら」ぐらいの意味だと思っていたのですが、フランス語に詳しい方にお聞きしたら「adieu 」は「今生の別れ」という意味だそうで・・・。今生の別れって相当じゃねえ?deathって名前でもいいじゃんぐらいな重い意味ですが、deathとなると何となく「デスメタル」とか自分に全く興味のないものを想像してしまうのでやめます。アデューと言った後も、いつでも私には会えます。死ぬまでは、いつでも私は別れません。

いうなれば、私の表現したい世界はそこにある気がします。

私の演劇の師匠でもあり人生の師匠に宮沢章夫という人物がいます。私のブログを読んでくださっている方はご存知の方も多いと思いますが(もちろん知らない方もいっぱいいらっしゃるかと思いますが)、私は遊園地再生事業団に何度か出演させていただきました。宮沢さんは演劇の公演が終わり皆で楽しく打ち上げをし、そしてしらじらと夜が明け皆が家路につく頃、ほんの少しの淋しさが役者の中につきまとい、「またね」「今度皆であおうね」「ありがとうね」なんて言葉で別れを誤魔化す中、宮沢さんは少し笑いながら片手をあげ、「じゃ、おれ帰るから、とっとと帰って」というのです。笑いながら、「とっとと帰って」。何て素敵な言葉なのでしょうか。私はこの言葉を聞く度に「この人のようになりたい」と思います。

「さよならだけが人生だ」という言葉があります。白樺派?アララギ派?違うね。実篤?あれ?まあ、いいや誰でも。あとで調べるわ。

もちろんそれはウソですね。さよならだけが人生だったらたまったものではありません。
しかし、さよならが存在するという事実はいつまでたっても人生につきまといます。
それと同時に、新しい出会いがまた始まります。
生きるということはもしかしたらその繰り返しなのでしょう。

私は生きることに賭けたいと思います。
表現が一体何であるのかまだまだまだわかりません。
考えると頭が疲れるので寝てしまったり、ケンドーコバヤシの「越中詩郎のモノマネ」で大爆笑したり、博多華丸大吉は好きだけど大吉の将来を考えているだけで一時間を費やしてしまうような人間ですから、何を言っても説得力はないでしょう。

あと、桑田がメジャーに昇格すること。カズがまだまだ現役であること。そのことと私が生きることは全くもって関係がありません。知り合いじゃないし。でも、私の考える表現は、そこにヒントがあるかもしれない。

そう思って新しく一人のユニットを立ち上げることにしました。だから今回の公演は「オールツーステップスクール#05→アデュー#00移行公演」です。

これからもオールツーステップスクールで一緒に演劇を作って来た皆に助けてもらったりお互いに刺激し合いながら、皆がまたいつか30年後に集まったら「リア玉」を上演します(完全某劇団のパクリ)。でもまた急にオールツーステップスクール名義で面白いことをするかもしれないけれど、それはまたいつか私自身も楽しみにしていようと思います。

今回の公演は小さな舞台だけど、とても面白いものになると思います。
是非皆さん横浜までご来場下さい。

笠木泉

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